設計プラン
平屋に限らず、注文住宅では理想の家づくりに向けて設計プランが膨らみ、費用が予算よりも高くなる場合があります。たとえば、凝ったデザインの設計を依頼した場合、ハウスメーカーの規格プランと比較すると費用は高くなるでしょう。
使用する建材
平屋の注文住宅では、使用する建材の等級も価格を左右します。たとえ、ローコスト住宅として売り出している住宅会社を選んだとしても、ハイグレードな建材を使うプランを選択すれば、価格は上昇していくでしょう。
住宅性能のグレード
平屋では、2階建て以上の住宅よりも、性能を高めたほうがよい箇所があります。たとえば、断熱性能です。平屋は屋根から外気温が伝わりやすいため、夏は暑くなりがちです。一方で、冬は床や壁からの冷たい外気が伝わります。そのため、平屋では断熱性能は重視したいポイントになるでしょう。このように住宅性能をどの程度まで高めるかにより、平屋の価格は変わってきます。
2階建て住宅よりも高い理由
同等の敷地面積に家を建てる場合、平屋は2階建て住宅よりも坪単価が1~2割程度高くなるといわれています。その理由をお伝えしていきましょう。
基礎面積が広い
2階建て住宅と同等の床面積を平屋で実現しようとすると、建築面積が広くなります。単純に考えて、2階部分を足した広さ分の基礎工事が必要となるわけです。基礎工事の範囲が広くなるということも、平屋の価格が2階建てより上昇する理由です。
屋根の面積が広い
平屋の場合、2階建て住宅の1階部分と2階部分に相当する範囲を覆う屋根が必要となります。屋根部分が増えることにより、価格は当然高くなるでしょう。
坪単価を見て判断している
家の建築における坪単価は、住宅の建築費用を延べ床面積で割って算出します。同じ面積の敷地の場合、2階建て以上の住宅のほうが延べ床面積が増える傾向にあるため、算出される坪単価は平屋より安く出る場合が多いのです。
坪単価に注目すると、確かに平屋は高い傾向がありますが、総費用は2階建て以上の住宅よりも安い場合もあります。総費用もよく見て判断していきましょう。
平屋住宅の価格相場はいくら?
実際に平屋住宅を建てる場合、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか。価格はハウスメーカーや工務店によって異なりますが、相場をご紹介していきましょう。
2LDKで2~4人家族向けの住宅
2LDKは2~4人程度が住むのに適しています。坪数は20~25坪程度が必要です。ローコスト住宅であれば費用は1,000万円程度で、一般的な住宅の場合は1,800~2,000万円辺りを見込んでいるとよいでしょう。
3LDKで3~4人家族向けの住宅
4~5人程度なら3LDKの間取りがあれば暮らせるでしょう。坪数は25~30坪程度です。費用はローコスト住宅であれば1,500万円程度、一般的には2,000~2,500万円程度を想定しておきましょう。
このように、間取りが増えるにつれ延べ床面積が増え、価格は上がる傾向です。
平屋の価格を抑えるには?
平屋の価格は、総費用をふまえて検討していく必要があるとお伝えしました。では、総費用を抑えるにはどのような点に注目すればよいのでしょうか。
設計をシンプルにする
とくに、外観は凝った設計にしないことをおすすめします。家の外観に凹凸が多いと、外壁工事が余計に必要になり、工事費用がかさみます。また、家の形も正方形や長方形の単純な形にするとよいでしょう。凝ったコの字型やL字型も魅力ですが、家の形に凝ると屋根の形も複雑化します。コの字型やL字型を検討する場合は、話をすすめている住宅会社に事前に相談してみるのが良いでしょう。
建材費用や設備費用を抑える
建材や設備はグレードの高いものを見ればきりがなく、よいと思ったものをすべて取り入れていると価格が上がってしまいます。システムキッチンやお風呂などは優先順位をつけ、グレードを下げることでコストダウンも図れるでしょう。
間取りに工夫を凝らす
平屋の注文住宅を建てるには、間取りの工夫もコストダウンに効果的です。まずは壁の数を抑えることです。部屋数が増えるとおのずと壁が増えます。ある程度は耐震のためにも必要ですが、オープンな間取りにすることで動線もよくなるでしょう。子ども部屋など、壁を設けたほうがよい場合は、パーテーションを設置するなどの方法もあります。
廊下や窓を少なくする
平屋をコストダウンするには、廊下を極力少なくする間取りも効果的です。家の中心にリビング・ダイニングを配置し、寝室や子ども部屋などを隣接させる間取りもよいでしょう。
また、窓の数にも注意が必要です。日当たりの悪い土地では、平屋は採光が難しいケースもあります。とはいえ採光目的で窓を増やしていくと、設置費用がかさむ原因に。窓の数を増やさなくても、高い位置に取り付けるなどで工夫できます。
総居住費でコストを計算する
マイホームで平屋を検討中の方は、コストがかかると懸念されてはいませんか?
確かに、初期費用だけで比べると一般的な2階建て住宅より費用が高い傾向にあります。しかし、生涯住み続けた時の「総居住費」で比較した時はどうでしょう。「総居住費」とは、土地や建物の費用だけでなく、諸経費、付帯費用、各種税金、さらには住んでからのメンテナンス費用や光熱費などのランニングコストを含めたトータル費用のことを言います。例えば、以下の2つの住宅を比較した場合の総居住費はどちらがお得でしょうか。
・気密性や断熱性を高めた平屋
・一般的な性能の2階建て
性能面である程度先行投資をした住宅の場合、住み続けてからの光熱費を大幅に削減することが可能です。目先の初期費用だけで住宅を比較し購入してしまうと、結果高い買い物をしてしまうことにもなりかねません。
山梨県で建てられる平屋の実例をご紹介
ウッドアートの建築家が設計した平屋をご紹介します。
限られた土地や予算の中でも、建築家のアイデアや発想により平屋は実現できます!